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東京報道新聞5/28公開 第2回 子ども食堂を通じて親子の絆を深め課題解決に挑むNPO法人代表・久野亜由美

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前編のインタビューでは、NPO法人美汝 Ladies Rescue(レディースレスキュー)理事・代表の久野亜由美氏の幼少期からの略歴やNPO法人を立ち上げた経緯、NPO法人で注力していることを伺った。後編となる本記事では、NPO法人を運営している中で実際に扱う問題や問題が潜むケースなどの具体事例と、久野亜由美氏が考える今後のビジョンについて深層に隠れた真相にせまる。

カウンセリングにくる問題が潜むケースや具体事例
ー具体的な問題や解決事例などはありますか?

たとえば、セックスレスに悩む女性の話です。セックスに関しては普段なかなかしない話かもしれませんが、他の夫婦の性生活の話題になった時に「いいなぁ。羨ましいな」と、ぼそっと言った女性がいました。話を聞いてみると、子どもが出来てからセックスレスになったようです。夫に求められないケースです。

解決するために女性も努力したそうです。全身脱毛に行って綺麗にしたり、セクシーなランジェリーをつけたり、性欲が湧くようなご飯にしてみたり、色々と試してみたけど結果はダメでした。

夫は浮気をしている気配はなく、女として自信がなくなってしまったという悩み。子どものために夫婦を続けるのか、女としての道を歩むのか悩んだ結果、その女性は離婚しました。

次に、家庭のお金の問題から起こった事例です。小学校の卒業式に参加したときの話なのですが、今の卒業式では、小学生は羽織袴を着る学校が多いようです。中学校の制服やスーツを着る子もいます。

そんな中、ジーンズにトレーナーで卒業式に参加している女の子がいました。おそらく家庭のお金の問題とかで衣服が準備できなかったんだと思います。その子にとっては一生の思い出なので、悲しい思いをさせないためにも衣類の支援もあるということをお母さんにお伝えしました。

たとえば、女性・子どものDVに関する問題もあります。DVは一刻も早く解決しなくてはいけません。DVを受けている女性や子どもがなかなか周囲に言えない場合もあります。理由として、DVをする男性の共通点が、DVをしたあとに”優しくなる”ことが多いからです。女性や子どもはその優しさを求めて耐えてしまうという心理があるのです。脅迫じみた口止めをされるケースもありえます。

DVを受けた女性は「彼は私を嫌いではなく、私や息子が至らなかった。夫が家庭のために一生懸命頑張ってくれてるのに!」と思ってしまう…とんだ勘違いです。女性や子どもがもし暴力を振るわれて傷やアザができていたら、児童相談所や警察へすぐ電話して避難させます。

総じて母子家庭と知った段階で、お金まわりや子どものこと、養育費をもらっているかどうかを私は踏み込んで聞きます。お節介かもしれませんが、言えずに困ってる人たちがいっぱいいるからこそ積極的に動くしかありません。

子どもの精神状態はどうか、ちゃんと学校を楽しんでいるか、いじめにあってないか、学校に行きたくないと言っていないかなど、同じ学校の子どもたちから聞く話も結構あります。

ーこういうお母さん、こういうお父さんは黄色信号だという例はありますか?

他の子どもから聞く情報に基づいて、お着替えをあまりしていない子や、お風呂に入っていない子などに対して親切に関わって話しかけたつもりが「大丈夫です。何でもないです。」と言う子がいます。子どもは親からのしつけみたいになっていて、こう言わざるを得ない子どもを見ていると黄色信号を感じます。子どもが交流をしない、シャットアウトしがちだと黄色信号です。

子どもの友達がウチに遊びに来た時、おやつを出します。その時の食べ方が異常なほどガッツく場合も黄色信号です。自分のおやつを食べ終わっても他の子のおやつを見て「ちょっとちょうだい 」と言って食べているのを見ると感じます。

子ども食堂を通じて親子が触れ合う時間を増やす
ー今後のビジョンについて聞かせてください。

当団体のビジョンは、「貧困問題を抱える【食】について。 ひとり親世帯の親子の思い出づくり。笑顔で暮らせる未来輝く社会」です。

現在子ども食堂を運営していますが、自治体や地域の方々を中心に、子どもたちに食事を提供する場であり、コミュニティとしても機能しています。子ども食堂を入り口として、子どもがリラックスして親に甘えたり触れ合える時間とか、一緒にご飯を作ったり、親子で思い出作りをメインとした場所を提供していきたいと考えています。

レクリエーション交流を通じて、感受性を自然に出して個性を伸ばして自信あふれる未来へつなげることや、子どもたち皆が笑顔で安心した生活ができるような心温まる社会づくりを目指します。

現在の貧困問題により、シングルマザーが仕事を休んだら収入が絶えるために休日をとれない、体調を壊しても病院にいけない、子どもに十分な食事を与えられずに食事の回数を減らすなどを問題視してきました。子ども食堂を通じて子どもに「楽しかった思い出」をたくさんつくって、将来のよりよい社会の実現につなげてほしいという想いからスタートしました。

直近では、東京都江戸川区西葛西にあるインド料理レストランで子ども食堂を開催します。

※西葛西はインドの町と言われるほど多国籍の子どもたちがたくさんいます。

【多文化交流】が目的です。子ども同士が国籍や文化の違いを認め合い尊重する心を育み、自身のルーツである母国文化への愛着・誇りを持てるよう、親子で体験する各国の料理教室や読み聞かせ事業を行います。

他にも、できれば子どもたちのためになるような習い事もさせてあげたいです。習い事をすることで自信がつくこともあるからです。

たとえば、料理・ピアノ・習字・学習・サッカー・プール・剣道などの教室です。一人ひとりの子ども達の事情をご理解いただいて、ボランティア支援として指導員の先生方にお願いしたいです。もしかしたらすごい素質のある子が出てくるかもしれないし、そこから日本一になる子が出てくる可能性だってあります。

どんな境遇の子どもだって夢を持つことは平等です。

「片親だからって絶対負けんなよ!!!」

私はいつもそう思って、未来ある子どもの小さな背中にコソっと喝を入れます。母子家庭や父子家庭の課題解決に立ち向かえるのは、子どもたちから私がパワーをもらってるのかもしれません。どうもありがとう。

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